スギゴケ
久遠の宿の正門をくぐると、
左右どちらにも小さいながら風情のある日本庭園が広がります。
もう少しで赤や橙へ葉の色を変えるモミジの木の下に、
緑鮮やかなスギゴケがびっしりと生えている、久遠の宿自慢の庭です。
スギゴケは近くで見ると、
杉の木をミニチュアにしたようなとても愛らしい姿をしております。
触ってみるとやわらかく、少しの衝撃にも倒れてしまうほど繊細な苔です。
さらに水分の管理が大変で、
乾燥しだすと、くるくると葉を閉じ縮こまってしまいます。
私共スタッフは、
久遠の宿にお越しになる皆様にいつでも美しいスギゴケをお見せしたいと、
毎日朝と夕方に欠かさず水やりをしております。
特に夏場の管理は難しく、
日に2回の水やりでも縮んでしまったり少し色が変わってしまったり…
9月に入り涼しく過ごしやすくなったとは言え、
天気とスギゴケの調子を見ながらの水やりは欠かせません。
毎日の水やりは大変ですが、
太陽の光が差し込むと葉と葉の間にできた水の玉が、きらきらと輝きます。
それはとても美しい光景です。
いつか皆様にご覧になっていただきたいと思いながら、
スギゴケを大切に育てていきたいと思っております。